2023/08/30
矯正治療後の「後戻り(あともどり)」はどうして起きる? 続き
歯医者さんに行って「以前に神経の治療をした歯の根っこの先が膿んでいます。被せ物を外してもう一度根の治療をやり直しましょう」と言われた事がある人は多いと思います。
一度治療したはずなのに、なぜ膿んでしまったのでしょうか?
再治療で、何度も歯医者さんに通わないようにするにはどうすれば良いでしょうか?
「最初の治療が肝心です」
根管治療(歯の根の治療)において最も大切なのが、無菌的な処置と細菌感染の防止です。
残念ながら歯の神経を取らないといけなくなった場合、その処置を「抜髄」と言います。
この抜髄をする時に、いかに正しい治療方法で処置するかによってその後、再治療を繰り返す可能性を下げる事が出来ます。
抜髄をする時は、麻酔をした後に歯髄腔に穴を開けていきます。
この時、可能な限り無菌的な状態で歯髄腔内に細菌が入るのを阻止して抜髄を進めていく事が理想的です。しかし、口の中を満たしている唾液の中には1㎖中に10億匹も細菌が存在しているので、何も対策をせずに無闇に穴を開けてしまうと細菌感染が進み、治療後に痛みが出たり再治療を繰り返さなくてはいけない可能性が高くなります。
細菌感染を防ぐ為の基本的な処置の一つ目に「ラバーダム防湿」があります。
ラバーダム防湿は術歯とそれ以外の口腔内をラバーダムというゴムの膜で隔離する事で、
術歯を清潔な状態で治療でき、更に根管治療で使用する薬品から口の中を守る事ができます。
桑田歯科では、基本的に根管治療の際はラバーダム防湿をしています。
細菌感染を防ぐ為の基本的な処置の二つ目は「新品、滅菌した器具を使用する」です。
桑田歯科では、根管治療の際に使用する器具は全て滅菌もしくは使い捨ての物を使用しております。その為、口腔外の細菌を根管内に感染させてしまう心配はありません。
三つ目の取り組みとしては、桑田歯科では根管治療時にマイクロスコープを使用しております。
従来では盲目的に治療していた根管内を、マイクロスコープを使用する事でより拡大視野で安全に正確に治療することができます。
以上の様な取り組みをする事で、当院では細菌感染による根管治療後のトラブルをなるべく少なくして、患者様が再治療で歯医者さんに行かないで済むように日々努力しています。
その為か、他院で治療しても痛みが取れなかったのが当院で治療した後、痛みから解放された患者様も多いです。
「一本でも多く自分の歯を残したい」それは全ての患者様に共通する願いだと思います。
残念ながら抜歯をして、インプラントにするべき時もあります。
が、「なぜ、抜歯しなくてはいけなかったのか?」にフォーカスを当てることが本当は大切です。
抜歯に至った理由の中に「歯根破折」が非常に多いです。
これは、再治療を繰り返す(特に根管治療)たびに健全な歯質を削り歯の構造が脆くなってしまった結果です。
「再治療を少なくするということが、患者様の歯を一本でも多く守る」事に直結していると我々は考えております。